From howto-request@jodo.sci.toyama-u.ac.jp Tue, 16 Apr 1996 13:32:20 +0900
Date: Tue, 16 Apr 1996 13:32:20 +0900
From: Takeshi Kurimoto 
しばらく時間が空きましたが、TeX 講座「明日のために」その2を
お届けします。もう既に自分でどんどん自習して先に進んでいる人も
いるでしょう。(全員がそうなってくれたら、こんな講義やらなくて
すむから楽なんだけどな.......、質問にだけ答えればいいから。)
意欲のある人はこの講義の進歩具合にかかわらず、どんどん自習を
進めてください。

        KKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK
        R  930 富山市五福 3190 富山大学理学部物理     M 
        R    栗本  猛    krmt@sci.toyama-u.ac.jp      M
        R  tel.0764-45-6588,     FAX 0764-45-6549     M
        TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT
         ### 1996 4月より電話番号が変っています  ###

  ではレッスン2です。
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

        << 明日のために (TeX 編) その2 >>
           -- コマンド、環境を使う --

  いきなり変な副題で、何のこっちゃ?、と思うかもしれません。文章を
普通のワープロで作っている際に、ここからここまでは字を大きくしたい、とか
表を入れたい、字体を変えたい、という時にはその領域をマウスやらで選択した
上で必要な作業をします。LaTeX の場合は文章自身に、それらの作業をコンピュータ
にさせるための命令を記入します。以下にその代表的なものを紹介します。

2.1 TeX コマンド (TeX, LaTeX 共通)

  TeX コマンドは先頭に \ マーク(端末によってこれは''円''のマークになったり
右下がりの斜線、バックスラッシュ、になったりしますがどちらでもかまいません。
両者は TeX にとっては同じ記号です。ただしいずれも半角の英数字記号で入力して
ください)がついたものです。
  例: \large  -- それ以下の文字を大きくする
       \Large  -- それ以下の文字をもっと大きくする
       \LARGE  -- それ以下の文字をもっともっと大きくする
       \small  -- それ以下の文字を小さくする
       \footnotesize -- それ以下の文字をより小さくする
       \it     -- それ以下の文字をイタリック (italic) にする
       \sl     -- それ以下の文字を斜体 (slanted) にする
       \bf     -- それ以下の文字を太字 (bold) にする
       \\      -- 強制改行
       \newpage -- 強制改ページ
       \alpha  -- 数式モード(後で説明します)中でギリシャ文字のアルファ(α)を出す
       \beta   -- 数式モード中でギリシャ文字のベータ(β)を出す

これらはほんの一例です。TeX, LaTeX にはまだまだ多くの命令があり、それらを
駆使することによりきれいな文章を印刷できるのです。そないにぎょうさんなコマンド
覚えなあかんとはかなわんなぁ、と思うでしょう。しかし無理に覚える必要はありません。
TeX をやる時にはいつも傍らに TeX の参考書を置いておいて、こういう事がしたいと
思ったらその時に本を見て必要なコマンドを探しましょう。最初は時間がかかります。
しかし何度もやっているとそのうちに慣れてきて、よく使うコマンドは自然と覚えますし、
めったに使わないコマンドは必要がある時に本を見ればいいのです。まあ通算で
数十ページ分の文章を TeX で書けば、最低必要なコマンドは頭に入るでしょう。

  注意してほしいのは、\ ではじまるコマンドを挿入した後は次の文を打ち込む
前に半角の空白を空けることを忘れないでください。そうしないと TeX はどこ
までがコマンドの名前かわからなくなります。
(例)
 ◯ -- ..... というわけで、\bf ここからが大切です。.........
 × -- ..... というわけで、\bfここからが大切です。.......

  またコマンドの機能を文中の一部にだけ効かせたい場合はその部分を半角の
{  } という括弧でくくってください。
(例)
   .........{\Large ここだけは強調しておきたいのです}、あとは.........

@練習問題: 以下に各種のコマンドを用いた例題の TeX 文章を示します。
切りとって TeX にかけ、どのコマンドがどんな役割をしているのか調べてみてください。

%%%%%%%%%%%%%%%%%  CUT HERE %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
\documentstyle[12pt,a4j]{jarticle} % お決まりの宣言
     % より後ろの部分は TeX では無視されるのでコメントを入れる
\pagestyle{empty} % ページ番号を付けないというコマンド
\begin{document} % 文章はじまりの宣言
\section{コンパイル} % 節のはじまりとタイトル
ソースファイルが準備できたとしましょう。次は
いよいよ\TeX にかけますが、その前に中身が plain \TeX か 
        % TeX というロゴを出すコマンド
\LaTeX か判断します。ファイルの最初の方に 
% LaTeX というロゴを出すコマンド

% 空白行はそこで改段落して、次の文字のはじまりを1字さげる役割をする
%
{\tt $\backslash$ documentstyle}何たら
% \tt は字体をタイプライターのものにするコマンド
% $\backslash$ で \ マークがそのまま印刷される
かんたら...\footnote{
%          \footnote{   } で {  } 内の部分を脚注にする      
ここで $\backslash$ という記号は
Mac や端末によっては¥マークになっていることもありますが、どちらでも
かまいません。}

\noindent % 改段落の後で字下げはしないというコマンド
とあれば \LaTeX です\footnote{最新バージョンの\LaTeX ,\LaTeX 2e, だと
{\tt $\backslash$ documentclass}です。しかしここの\TeX システムはまだこの
バージョンに対応していません。}。

\noindent
\LaTeX ファイルなら

$>$jlatex {\it filename}
% 文中の数式、数学記号は $  $  ではさむ。
% \it で文体をイタリックにする
\noindent
そうでなければ

$>$jtex {\it filename}

\noindent
します。j が付いているのは日本語 \LaTeX (\TeX) であることを
意味しますが、日本語用の \TeX はもちろん英語だけのファイルも
 \TeX できるので問題はありません。
\end{document}
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% CUT HERE %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

2.1 環境 (LaTeX)

LaTeX では文章の一部あるいは全体をある定まった条件のもとで整形する
「環境」という命令があります。これは

\begin{.....}
ほにゃらら、ほげほげ 
(文章の一部)
\end{.....}

という形式で用い、..... の部分には用いる環境の名前が入ります。
LaTeX で文章を書く際の決まり文句である \begin{document} .... \end{document} 
というのも実は印刷すべき文章はここからここまでという事を示す環境です。
以下にいくつかの環境の例を示しますので、これも切り取って LaTeX にかけて
どうなるかを見てください。

%%%%%%%%%%%%%%%%  CUT HERE (begin)%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
\documentstyle[12pt,a4j]{jarticle}
\begin{document}
\LaTeX で用いられる環境の例を以下に示します。
\vspace*{5mm} % 垂直方向に 5mm 間隔を空けるというコマンド

\noindent\underline{\bf センタリング 環境} 
\begin{center}
ここは文章が中央寄せ(センタリング)されています。
\end{center}

\noindent\underline{\bf 右寄せ環境}
\begin{flushright}
ここは文章が右寄せされています。
\end{flushright}

\noindent\underline{\bf 左寄せ環境}
\begin{flushleft}
ここは文章が左寄せされています。
\end{flushleft}

\noindent\underline{\bf 箇条書き環境}
\begin{itemize}
\item 最初の項目 
\item 次の項目
  \begin{itemize}
  \item 入れ子にすることもできます
  \item 次の入れ子の項目
  \end{itemize}
\item その次の項目
\end{itemize}

\noindent\underline{\bf 番号つき箇条書き環境}
\begin{enumerate}
\item 一番目の項目
\item 二番目の項目
  \begin{enumerate}
  \item 入れ子の項目 1
  \item 入れ子の項目 2
  \end{enumerate}
\item 三番目の項目
\end{enumerate}

\noindent\underline{\bf 表題つき箇条書き環境}
\begin{description}
\item[物理] この場合、項目の表題は太字になります。
\item[化学] {\tt $\backslash$item[ ]} の {\tt [ ]}内に自分で項目の
            表題を記入してください 
\item[生物] この表題はただの例です
\end{description}

\noindent\underline{\bf テキストをそのまま表示する環境}
\begin{verbatim}
この環境の中では TeX ファイルに書かれた字がそのまま出ます。
だから \bf や \Large といったコマンドもコマンドとしてではなく
ただの文字としてあつかわれます。
  アルファベットは abcdefg HIJKLMN というようにタイプライター
書体で表示されます。
\end{verbatim}
\newpage

\noindent\underline{\bf 文字の大きさを変える環境}
\vspace*{3mm}

\begin{Large}
  コマンドのところで挙げた文字の大きさを変える命令の名前を
そのまま環境名に使うと、その環境内の文字すべての大きさが
変ります。ここは {\tt Large} 環境です
\end{Large}
\begin{large}
  {\tt large} 環境ではこれくらいの字の大きさです。
\end{large}
これは普通の字の大きさです
\begin{small}
  ここから {\tt small} 環境です.
\end{small}
\begin{tiny}
  さらに字を小さくしていきます。({\tt tiny} 環境)
\end{tiny}

\noindent\underline{\bf 式番号をつけた数式環境}

この環境は文中でなく数式を独立に表示する時に用います。
\begin{equation}
  ax^2+bx+c=0 \Rightarrow 
  x=\frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}
\end{equation}
\begin{equation}
  a^3+b^3+c^3 - 3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab -bc -ca)
\end{equation}

\noindent\underline{\bf 複数の数式を整理して表示する環境}
\begin{eqnarray}
   \frac{d x^n}{dx} &=& n x^{n-1} \\
  (\sin x)' &=& \cos x \\
  \int_a^b f(x) dx &=& F(b) - F(a)
\end{eqnarray}
上の3つの数式は $=$ のところを揃えて表示させています。

\noindent\underline{\bf 表をつくる環境}
\vspace*{3mm}

\begin{tabular}{|r|l|r|c|} \hline
番号 & 名前 & 成績 & 評価 \\ \hline
7 & 諸星 弾 & 78 & 良 \\
16 & 星 飛雄馬 & 3 & 不可 \\
999 & 銀河 トチロー & 86 & 優 \\
\hline  
\end{tabular}

\end{document}
%%%%%%%%%%%%%%%%%  CUT HERE (end)%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

これらの他にも様々な環境があります。必要に応じて参考書を見て
使い分けてください。